看護師 離職率は高い?最新データ解説
看護師 離職率について調べていると、離職率が高い理由や1年目新人の早期退職ってどうして起こるのか、気になっている人が多いなと感じます。特に、3年以内や5年以内に辞める人の割合や、離職率が高い病院の特徴は、これから就職・転職を考えるあなたにとって、職場選びを左右する大事なポイントですよね。離職率という数字だけを見ると少し冷たい統計に見えますが、その裏側には、現場で働く一人ひとりの迷いや負担、キャリアへの期待など、いろいろな背景があると考えられています。
2025年時点では、日本看護協会や厚生労働省の調査によって、看護師の離職率が過去最高水準なのか、それとも平均的な範囲なのかを客観的なデータで確認できるようになっています。さらに、病床規模や設置主体別、都道府県別といった細かいデータも公表されていて、「どんな病院なら離職率が抑えられそうか」「どの地域で人の出入りが多いのか」といった傾向も、ある程度読み取れる状態です。また、男性看護師の割合が増えてきていることもあり、男の看護師の離職傾向にも注目が集まり、多様なスタッフが働きやすい職場づくりが大きなテーマになっています。
この記事では、公的機関が公表している統計や調査結果をベースに、看護師の平均的な離職率だけでなく、離職率が高い病院に共通するといわれるパターンや、口コミ・感想レビューから見えてくる現場のリアルな声まで、私が整理してお伝えしていきますね。数字だけを眺めるのではなく、「なぜそうなっているのか」「職場をどう見極めればよいのか」という視点も一緒に押さえることで、あなたの転職やキャリア形成の判断材料として役立ててもらえたらうれしいです。
- 看護師の離職率が全職種と比べて高いかどうか
- 新人や3年以内・5年以内の離職状況と背景
- 離職率が高い病院・低い病院の特徴と見分け方
- データと口コミ・感想レビューを踏まえた転職判断のポイント
看護師 離職率の最新状況
- 看護師離職率と全体平均
- 2025年の看護師離職率予測
- 過去最高水準の離職率は
- 男性看護師の離職率傾向
- 離職率が高い病院の特徴
看護師離職率と全体平均
離職率とは、一定期間内に職場を離れた人の割合を示す指標で、一般的には「その年に退職した人数を、期首在籍者と期中入職者を合計した人数で割った値」と説明されています。看護師の離職率も同じ考え方で計算されていて、日本看護協会の病院看護実態調査や、厚生労働省が実施する雇用動向調査などを通じて毎年公表されています。まずはこの定義を押さえておくと、「この病院の離職率は高いのかな?」「全体と比べてどうなんだろう?」といった比較がしやすくなりますよ。
離職率を見るときに大事なのは、「どんな集団を対象にした数字か」という視点です。たとえば、日本看護協会の病院看護実態調査は病院勤務の看護職員が対象ですが、厚生労働省の雇用動向調査は産業全体をカバーしています。この2つを比べることで、「看護師だけが特別に辞めやすいのかどうか」が見えてきます。公開されているデータを見ると、看護師の離職率はここ数年、おおむね11%前後で推移していて、全職種の離職率とほぼ同じか、少し低めの水準に落ち着いていると整理されています。
用語解説:離職率
離職率は、働く人がどれくらい職場を辞めているかを割合で示した数字だと思ってみてください。イメージとしては、クラスの生徒が1年間で何人転校したかを見る感覚に近く、「人の出入りの多さ」をざっくりつかむための指標です。数字が高いほど入れ替わりが激しい状態、低いほど同じ人が長く働きやすい状態に近いと考えられています。
公開されている統計をざっくり眺めてみると、看護師の離職率は2014年度以降、10%台前半で大きな上下はなく、コロナ禍の前後も含めて比較的安定している様子が分かります。同じ年の全産業の一般労働者の離職率と並べてみると、看護師側の数字が少し低めになる年も多く、「看護師だけが極端に辞めやすい仕事」というよりは、日本全体の労働市場の動きの中にある職種のひとつ、という見方がしやすいかなと思います。
また、離職率という指標は、「どのくらいの期間で」「どんな働き方の人を含めているか」によっても意味合いが少し変わります。常勤だけなのか、パートタイムも含むのか、新卒を含めているのかなど、調査ごとの前提を一度確認してみると、あなた自身の状況に近い数字を見つけやすくなりますよ。統計はとっつきにくく感じやすいですが、比べるときの基準をそろえることが、離職率を正しく理解する最初の一歩だと思ってもらえると良いかなと思います。
| 年度 | 看護師離職率(%) | 全職種離職率(%) |
|---|---|---|
| 2019年度 | 11.5 | 11.4 |
| 2020年度 | 10.6 | 10.7 |
| 2021年度 | 11.6 | 11.1 |
| 2022年度 | 11.8 | 11.9 |
| 2023年度 | 11.3 | 12.1 |
看護師の離職率は、全職種平均とほぼ同じか、少し低いくらいの水準にあると整理されています。「看護師は離職率がすごく高い仕事」というイメージだけで判断してしまうと、実態とのギャップが出やすいので、こうした公的な統計も一緒にチェックしてみると安心かなと思います。
離職率の全体像をもっと細かく知りたいときは、厚生労働省が公表している雇用動向調査の資料が、一次情報源としてとても参考になりますよ。 (出典:厚生労働省 雇用動向調査)
2025年の看護師離職率予測
2025年の時点で、はっきり数字が分かっている公的データは、直近だと2023年度までの離職率が中心になっています。2024年度以降の数値は、これからの調査結果として順番に出てくる予定ですが、それまでの流れや現場で進んでいる取り組みを踏まえると、おおまかな方向性はイメージしやすいかなと思います。大事なのは、「急に離職率が跳ね上がるのか」「少しずつ落ち着いていくのか」といったトレンドを押さえておくことです。
日本看護協会の最新の調査では、新卒看護職員の離職率が2年ぶりに10%台から8%台へ改善したと報告されています。これは、新人教育の見直しやサポート体制の強化、メンタルヘルスへの配慮などの取り組みが、少しずつ形になっている可能性を示していると考えられています。一方で、夜勤の負担や人員不足といった構造的な課題はまだ残っていて、「離職率が一気に低くなる」というところまではいっていない、という見方も多いです。
2025年前後の看護師離職率を考えるときは、「高いか低いか」だけを見るのではなく、「どの層で数字が動いているのか」に注目してみるのがおすすめです。たとえば、新卒の離職率が下がっているのに、中堅やベテランの離職が増えているとしたら、経験者に負担が集中しているのかもしれません。また、地域や病院の種類によって差が広がっているなら、「働きやすい病院」と「そうでない病院」が二極化しているとも考えられます。
予測で押さえておきたいポイント
2025年の看護師離職率をイメージするときに、特に注目されているポイントは次のようなものです。
- 新人教育やプリセプター制度の見直しで、新卒の早期離職がどこまで減らせるか
- 短時間正職員や勤務地限定など、多様な働き方の導入が定着率アップにつながるかどうか
- 都市部と地方、民間病院と公的病院の格差が縮まるのか、逆に開いていくのか
こうした要素は、そのまま離職率に影響してきます。求人票や病院のホームページを見るときには、「どんな働き方が選べるのか」「教育やサポート体制がどの程度整っているのか」といった部分も一緒にチェックしておくと、数字だけでは分からない“居心地の良さ”をイメージしやすくなりますよ。離職率という数字は結果として表に出てくるもので、その裏側にある制度や仕組みを見てみると、職場の姿がぐっと立体的に見えてきます。
もちろん予測なので、「絶対こうなる」と言い切ることはできませんが、どんな要因が離職率に影響しやすいのかを知っておくと、求人選びや職場比較の精度はかなり上げやすくなります。特に、新人教育、メンタルヘルスの支援、柔軟な勤務制度の3つは、これからも要チェックのキーワードになりそうです。
過去最高水準の離職率は
ニュースやネットの記事などで、「離職率が過去最高になった」という表現を見かけることがありますよね。ただ、看護師の離職率に関する公表データを長い目で眺めてみると、少なくとも直近10年くらいの範囲では、10%台前半の中で小さな上下を繰り返している年が多く、「大きく跳ね上がった」とまでは言えないケースがほとんどです。1ポイント上がっただけでも「過去最高」という言葉は使えてしまうので、言葉の印象だけで不安が膨らみすぎないようにしたいところです。
新型コロナウイルス感染症が広がった時期には、感染リスクや業務量の増加による負担から、退職を選ぶ看護師が増えたという調査結果も出ています。ただ、その影響は医療だけでなく他の産業にも及んでいて、宿泊業や飲食サービス業と比べると、医療・福祉分野の離職率が特別に突出しているとは限らない、という分析もあります。つまり、「看護師だけが特別に大変だから過去最高」ではなく、社会全体の環境変化が反映された数字と見ることもできる、というイメージです。
「過去最高」に見えるグラフの注意点
グラフって、縦軸の幅の取り方ひとつで、変化がすごく大きく見えたりしますよね。実際には1〜2ポイントの違いでも、見せ方によっては「急増」「過去最高」といった強いインパクトに感じてしまうことがあります。なので、その年の数値だけで判断するのではなく、長期的なトレンドとあわせて見ることが大事だとされています。何年分かの推移を並べてチェックしてみると、落ち着いて状況をつかみやすくなりますよ。
それから、「離職率が高い年」であっても、その年に新しく入職する看護師もたくさんいます。現場では、「退職する人が増えた」と同時に「新人や中途採用が増えた」という動きが一緒に起きていることも多いです。離職率の数字だけを見てしまうとマイナスのイメージが強くなりますが、転職市場が全体的に活発な時期には、「自分に合う職場に動きやすくなっている」というプラスの側面もあると考えられます。
こんなふうに、「過去最高」という言葉は統計上の1つのポイントを示しているだけで、看護師のキャリアにとって必ずしも悪いことだけではありません。離職率のニュースを見たときは、「その数字になった背景は何か」「社会全体ではどんな動きがあったか」を一緒に考えてみると、より冷静に状況を整理しやすくなるかなと思います。
男性看護師の離職率傾向
ここ数年で、男性看護師の人数は少しずつ増えてきています。以前は「女性が中心の仕事」というイメージが強かった看護の世界も、多様なバックグラウンドを持つ人が活躍する場に変わりつつありますよね。その流れの中で、「男性看護師は続けやすいのか、それとも離職しやすいのか」「どんな悩みを抱えやすいのか」といった点にも関心が集まっています。
公的な統計では、男女別の離職率を細かく出していない調査も多いのですが、いくつかの研究やアンケートでは、「男性看護師は女性看護師よりも、やや離職率が高くなりやすい」という指摘が見られることがあります。その背景としてよく挙げられるのが、職場での少数派としての孤立感や、「力仕事は男性に」といった役割期待、家計を支える意識が強くて他職種への転職を検討しやすいことなどです。
男性看護師が離職しやすいとされる背景
一般的な解説の中で、男性看護師が離職を考えやすくなる理由としては、次のようなものがよく挙げられています。
- 家計を支える立場として、より高収入の業界・職種へのキャリアチェンジを検討しやすい
- 男性看護師の人数が少ない職場だと、同じ立場で相談できる相手が限られやすい
- 力仕事や夜勤シフトを多く任されるなど、性別による暗黙の役割分担を負担に感じることがある
とはいえ、これらはあくまで「そういう傾向がある」と語られているもので、すべての男性看護師に当てはまるわけではありません。最近では、男性看護師同士のコミュニティがあったり、ジェンダーに関係なく業務や役割を公平に割り振ろうとする病院も増えています。「男性だから辞めやすい」というシンプルな図ではなく、職場ごとのサポート体制や文化の違いが離職率に影響していると考えたほうが、実情に近いと言えそうです。
男性か女性かといった属性だけで離職リスクを判断するのではなく、職場の雰囲気、人間関係、キャリアパスの有無といった環境要因のほうが、実際には影響が大きいという見方が一般的です。求人票だけでは分からない部分も多いので、見学や面接の場で男性看護師の人数や働き方、ロールモデルになりそうな先輩がいるかどうかを確認してみると、ミスマッチを防ぎやすくなると思います。
離職率が高い病院の特徴
転職先を考えるとき、「この病院って離職率高いのかな?」というのは、どうしても気になるポイントですよね。日本看護協会の調査や、求人サイトなどの分析では、離職率が高めになりやすい病院には、いくつか共通した傾向があるとされています。その中でも、病床規模と設置主体(公立か民間かなど)は、統計としても違いが見えやすい指標です。
ざっくり言うと、病床数が少ない病院ほど離職率が高くなる傾向があると言われています。小規模な病院だと、教育・研修体制や給与・福利厚生が、大きな病院ほど整っていない場合があるという指摘もあります。また、医療法人や個人病院といった民間の病院は、自治体病院や日本赤十字社などの公的病院に比べて、離職率が高めになることが多いとされていて、これは待遇や職場の安定性、周囲に医療機関が多くて転職しやすいかどうかなど、いくつもの要素が絡んでいると考えられています。
病床規模別の離職率
ユーザーが提供してくれたデータをもとにした、2023年度の病床規模別離職率(看護師全体・新人の一例)は、次のように整理できます。
| 病床規模 | 看護師全体離職率(%) | 新人看護師離職率(%) |
|---|---|---|
| 99床以下 | 12.6 | 12.1 |
| 100〜199床 | 12.6 | 12.1 |
| 200〜299床 | 12.2 | 9.4 |
| 300〜399床 | 11.5 | 8.8 |
| 400〜499床 | 10.4 | 8.2 |
| 500床以上 | 10.4 | 8.0 |
この表を見ると、小規模な病院ほど、全体・新人ともに離職率が高く、病床数が増えるにつれて少しずつ下がっていく傾向が分かります。小さな病院では、一人ひとりが担当する業務の範囲が広くなりがちで、教育担当やフォローしてくれる人の数も限られやすいので、とくに新人にとっては負担が大きくなりやすいと考えられています。
設置主体別の離職率
病院の設置主体による違いも、離職率を考えるうえで外せないポイントです。ユーザー提供の2023年度データの一部を抜き出すと、次のような傾向があります。
| 設置主体 | 看護師全体離職率(%) | 新人看護師離職率(%) |
|---|---|---|
| 国立 | 10.2 | 7.0 |
| 公立 | 7.7 | 7.7 |
| 日本赤十字社 | 9.4 | 5.7 |
| 医療法人 | 14.4 | 10.8 |
| 個人 | 12.1 | 11.8 |
一般的には、自治体病院や日本赤十字社などの公的病院は離職率が低めで、医療法人や個人病院は高めになりやすいと整理されています。これは、給与や賞与、退職金制度、住宅手当などの待遇面にくわえて、教育体制や人員配置、組織としての安定性など、いろいろな要素が合わさって数字に出ていると考えられています。
ただ、同じ設置主体でも、病院ごとの方針や経営状況によって実際の働きやすさはかなり違ってきます。つまり、「公立だから安心」「医療法人だからダメ」と単純には言い切れません。設置主体はあくまで参考のひとつとして見つつ、求人情報や見学、インタビューを通じて、具体的な働き方やサポート体制を確認していくのがおすすめです。
看護師 離職率と転職判断
- 看護師離職率が高い理由
- 1年目新人看護師の離職
- 3年以内の早期離職傾向
- 5年以内に辞める割合
- 口コミ・感想レビューから見る
- 看護師 離職率の理解と対策
看護師離職率が高い理由
「看護師は離職率が高い仕事」とよく言われますが、実際のデータを見てみると、全職種の平均よりわずかに低いくらいの水準におさまっている年が多いです。それでも、高いイメージが強く残っているのは、看護師が人の命や健康に関わる責任の重い仕事であることや、ニュース・ドラマなどでハードな働き方が取り上げられやすいことが影響していると考えられています。ここでは、その「高そうに見える理由」を、勤務環境・人間関係・ライフイベント・キャリアの4つの視点から整理していきますね。
勤務環境・業務量の負担
日本看護協会や日本医療労働組合連合会の調査では、長時間労働や夜勤の負担、慢性的な人手不足などが、何度も課題として挙げられています。看護師は24時間体制で患者さんを受け持つので、日勤だけでなく早番・遅番・夜勤といったシフト勤務がどうしても必要になりますよね。特に三交代制・二交代制の夜勤は、一般的な昼間の生活リズムとかなり違うため、睡眠の質が落ちたり、体調を崩しやすくなったりしやすいと言われています。
さらに、月の夜勤時間が72時間を超える看護職員が一定数いると報告されている病院もあり、夜勤専従や夜勤回数の調整などがうまくできていない職場ほど、疲れが蓄積しやすい状況になりがちとされています。人員が足りない病棟では、一人あたりの受け持ち患者数が増え、急変対応や家族対応、記録業務などに追われて残業が増えたり、休憩が取りにくくなったりするという悪循環に陥ることもあります。
人間関係・職場文化
病棟は、医師・看護師・リハビリ職・検査技師・薬剤師・事務職員など、たくさんの職種がチームで患者さんを支える場です。命に関わる仕事なので、ミスを防ぐために指導や確認が厳しくなりやすく、教育の場面でどうしても「きつく感じる言葉」が飛び交ってしまうこともあります。忙しさがピークのときは、コミュニケーションが事務的になり、人間関係がギスギスしたように感じられる場面もあるかもしれません。
人間関係がうまくいかないと、ちょっとした指摘やミスに対する反応でも大きなストレスになり、「自分にはこの職場は合わないのかも…」と感じてしまうことがあります。一方で、忙しくてもチームワークが良くて、相談しやすい雰囲気の病棟では、同じ業務量でも負担感がかなり違うという声も多く見られます。離職率の背景には、こうした「職場の空気感」や文化の違いも反映されていると考えられています。
ライフイベント・キャリアチェンジ
看護師は女性が多い職種ということもあり、結婚・出産・育児・介護といったライフイベントに合わせて働き方を変える人もたくさんいます。夜勤や長時間勤務が前提の病棟だと、パートナーの働き方や家族のサポート状況によっては、仕事との両立が難しくなってしまうこともありますよね。その結果、一度仕事を離れて育児に専念したり、日勤のみのクリニックや訪問看護ステーションなど、生活と両立しやすい職場への転職を選ぶ人も多くなります。
また、看護師は国家資格を持つ専門職なので、診療科を変えたり、訪問看護や介護施設、企業の健康管理部門など、別のフィールドに移る「キャリアチェンジ」がしやすいという特徴もあります。スキルアップやキャリアアップを目的にした転職もたくさんあるため、離職率の数字の中には、前向きな理由で職場を変えているケースもかなり含まれていると考えられています。離職率が高いからといって「この職場は悪い」と決めつけるのではなく、どんな理由で人が動いているのかまでセットで見ることが、数字の意味を読み解くうえでとても大切だと思います。
看護師離職率が高く見える理由を考えるときは、「仕事がきついから辞める人が多い」という一言で片付けてしまうのではなく、勤務環境や人間関係、ライフイベント、キャリアの考え方など、いろいろな要因が重なっていることを意識しておくとよいかなと思います。スキルアップを目指した前向きな転職も多く含まれているので、数字だけで良し悪しを判断しない視点が大事になってきます。
1年目新人看護師の離職
1年目の新人看護師の時期って、期待もある一方で「ちゃんとやっていけるかな…」と不安も大きいですよね。日本看護協会の調査によると、新卒採用の看護職員の年度内離職率は、ここ数年10%前後で推移していましたが、2023年度は8.8%と少し改善したと報告されています。この数字は、だいたい11〜12人に1人くらいが1年目で職場を離れているイメージで、決してゼロではない一方で、全産業の新卒者よりは低めとされています。
新人の1年目は、初めての夜勤や急変対応、患者さんの家族への説明、他職種との連携など、学生のときには経験していなかった場面の連続ですよね。理想として描いていた看護像と、「現場の忙しさ」や「時間のなさ」とのギャップに戸惑う人も多いと言われています。その中で、「自分は向いていないのかも」「このまま続けていいのかな」と悩みやすい時期でもあり、心理的な負担が重なると年度内で離職を選ぶケースにつながることがあります。
管理者が把握している主な退職理由
日本看護協会の調査では、1年目で離職した新卒看護師について、看護管理者が把握している主な退職理由として、次のような項目が挙げられています。
- 健康上の理由(精神的な不調)
- 看護職としての適性への不安
- 自分の看護実践能力への不安
- 上司や同僚との人間関係
- 他施設や他分野への関心・転職
特に、精神的な不調は多くの病院で共通して大きな要因とされていて、病床規模が大きい病院ほど割合が高くなる傾向があると報告されています。新人看護師は、プリセプターや教育担当に支えられながら成長していきますが、責任の重さや失敗への不安から、ずっと緊張状態が続きやすいですよね。そこに人員不足や夜勤の負担が重なると、心と体のバランスを崩しやすくなると考えられています。
もし今、1年目でつらいなと感じているなら、「自分だけが苦しいわけじゃない」と知っておくことも大事かなと思います。調査結果を見ると、多くの新人が似たような不安やプレッシャーを抱えながらも、教育体制や相談できる環境に支えられて2年目以降に自信をつけている姿が見えてきます。一度立ち止まって、信頼できる先輩や教育担当者に悩みを打ち明けてみることが、早期離職を防ぐ大事な一歩になると言われていますよ。
また、新卒の中には奨学金制度を利用している人も多く、一定期間の勤務が求められているケースもあります。そのため、「最低でも◯年は続けたい」という思いから、しんどさを抱えながらも何とか踏みとどまっている人も少なくありません。一方で、心身の健康を大きく崩してしまいそうな状況では、早めに環境を変える選択が必要になることもあります。単に「1年目で辞めるのは良くない」と決めつけるのではなく、自分の体調や周りのサポート状況を冷静に見つめることがとても大事かなと思います。
3年以内の早期離職傾向
日本全体の傾向としては、厚生労働省が公表している新規学卒就職者の離職状況を見ると、就職後3年以内に離職する人は、大卒で3割台、高卒で4割前後というデータがあります。医療・福祉の分野もこの流れの中にあり、「とりあえず3年は続ける」という考え方と、「3年を待たずに動く」という選択が、現実の中で並行して存在しているイメージです。
看護師に限定した「3年以内の離職率」は、産業全体の統計とは集計方法が違うため一概には示されていませんが、アンケートや転職サイトの分析などを見ていると、2〜3年目のタイミングで「今後のキャリアを考え直したい」と感じる人が多いとされています。1年目で基礎を学び、2年目で自立して動けるようになり、3年目になると後輩指導や委員会活動など新しい役割も増えてくるので、「このまま今の職場でステップアップするのか」「別の場所で新しい経験を積むのか」を考えやすいタイミングなんですよね。
3年以内に辞める主なパターン
3年以内に離職するケースには、いくつか典型的なパターンがあると整理されています。
- 1年目の環境になじめず、心身の不調から2年目を待たずに退職するケース
- 2年目に業務量や責任が増え、自信と負担感の両方が高まり、転職を決断するケース
- 3年目の節目を前に、「教育プログラムがひと区切りついたところで環境を変えたい」と考えるケース
こうした動きは、キャリア形成の途中で自然に起こりやすいもので、「3年以内に辞めた=失敗」という意味では必ずしもありません。むしろ、自分に合う分野や働き方を早めに見つけることで、その後のキャリアがスムーズになることもあります。ただ、短期間で転職を何度も繰り返してしまうと、採用側からは継続性に不安を持たれる可能性もあるので、「なぜ今動きたいのか」「次の職場で何を得たいのか」をしっかり整理しておくことが大事になってきます。
「とりあえず3年」というアドバイスの背景
多くの病院では、新人教育のプログラムを3年くらいでひと区切りに設計していると言われています。3年間働くことで、一通りの看護業務を経験し、「自立した看護師」として評価されやすくなるイメージですね。そのため、転職市場でも「臨床経験3年以上」を条件にしている求人が多いとされています。ただ、心身を大きくすり減らしてまで3年にこだわる必要はないので、状況に応じた柔軟な判断が大切です。
もし今、3年以内の転職を考えているなら、「なぜ今辞めたいのか」「今の職場で変えられることはないか」「次の職場でどんな働き方をしたいのか」を紙に書き出して整理してみるのもおすすめです。ただ「つらいから辞める」だけで動いてしまうと、次の職場でも同じ悩みを抱えてしまう可能性があります。逆に、スキルアップや専門領域へのチャレンジなど、はっきりした目的があるなら、早めにその条件を満たせる環境に移ることで、長い目で見たときの満足度は高まりやすいと考えられています。
5年以内に辞める割合
日本医療労働組合連合会の調査によると、現在の職場での勤続年数が5年未満の看護職員は、だいたい3割ほどいるとされています。これは、看護師の中で「同じ病院に長く勤めている人」と「数年単位で環境を変えている人」が、どちらも一定数いるということを表していると考えられます。5年未満という区切りは、看護師としての基礎力が固まりつつ、キャリアの方向性を変える余地もまだ十分ある時期、とイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
5年以内の離職には、「つらくてやめざるを得ない」というネガティブな理由だけでなく、「もっとこういう看護がしたい」「専門性を伸ばしたい」といった前向きな理由も多く含まれています。たとえば、一般病棟で経験を積んだあとにICUや救急、手術室などにステップアップするケースや、訪問看護や在宅医療の現場で地域密着のケアをしたいと考えて転職するケースなどがよく挙げられます。また、認定看護師・専門看護師などの資格取得を目指して、教育体制が整った病院や大学院への進学を選ぶ人もいます。
5年以内の転職でよく指摘される理由
5年未満で転職する看護師については、一般的に次のような理由がよく挙げられています。
- 専門領域を変えたい、スキルアップ・キャリアアップを図りたい
- 結婚・出産・育児・介護など、ライフイベントとの両立が難しくなった
- 夜勤や残業が多い病棟から、よりワークライフバランスの良い職場へ移りたい
- 認定看護師・専門看護師などの資格取得のために進学や転職が必要になった
このように、5年以内の離職には、「キャリアの方向性を見直すタイミング」として自然に起こる動きがたくさん含まれています。一方で、長時間労働や人間関係の悪化など、職場環境の問題から離職を選ぶケースも一定数あるとされています。だからこそ、離職率という数字を見るときには、単に割合だけを見るのではなく、「どんな理由が多いのか」という質的な情報も一緒に意識しておくことが大切だとされています。
5年というタイミングは、「看護師としての土台ができてきて、次の一歩を考えやすい時期」と捉えられることが多いです。今の職場でキャリアアップしていくのか、それとも別のフィールドで新しい経験を積みたいのか、あなた自身の価値観や生活スタイルをゆっくり振り返りながら選んでいくことで、納得感のあるキャリアにつながりやすくなると思います。
口コミ・感想レビューから見る
最近は、病院選びや転職先選びのときに、インターネット上の口コミ・感想レビューをチェックする人もかなり増えていますよね。求人票だけでは見えてこない「残業の実態」や「人間関係」「教育体制」の雰囲気などを知るうえで、口コミサイトや転職エージェントのレビューは、便利な情報源のひとつになっています。ただ、口コミはあくまで個々の体験に基づいた主観的な情報なので、使い方にはちょっとしたコツがいります。
口コミ・感想レビューの中には、「夜勤が多くて体力的にきつい」「人間関係がよくて相談しやすい」「教育が丁寧で安心して学べる」といった具体的なコメントが多く見られます。こうした声は、離職率そのものの数字には直接出てきませんが、「どうして離職率が高いのか」「どうして定着しやすいのか」といった背景を考えるヒントになります。たとえば、短期間で辞めた人の口コミが目立つ場合、その職場は一部の人には合わなかった可能性もあれば、たまたま継続している人が書き込んでいないだけということもあり得ます。
口コミを見る際のポイント
口コミ・感想レビューを、離職率の参考情報として上手に使うためには、次のポイントを意識しておくと安心です。
- とても良い・とても悪いといった極端な意見だけでなく、普通〜やや良いくらいの中立的な声もチェックする
- 投稿された時期を必ず確認し、数年前の古い情報か、直近の状況なのかを見分ける
- あなたにとって重要なポイント(夜勤回数、教育体制、休みやすさなど)に触れている口コミを優先して読む
口コミは、統計としての離職率を示しているわけではありませんが、「なぜ辞めたくなったのか」「どんなところに満足しているのか」といった生の声が分かるという点で、数字だけでは拾いきれない情報を補ってくれます。たとえば、離職率は平均的でも、「残業代が出にくい」「教育がほとんどない」といった口コミが多い場合、その職場には目に見えない不満が蓄積している可能性もあります。
とはいえ、口コミだけで全部を判断してしまうと、たまたま目立つ一部の声に引っ張られてしまうおそれがあります。公式な調査結果や病院見学、面接などから得た情報と組み合わせて、トータルで評価することが大切だと言われています。口コミはあくまで「いろいろな視点のひとつ」であって、全体像そのものではない、という前提でうまく活用していけると良いかなと思います。
看護師 離職率の理解と対策
最後に、ここまでお話ししてきた内容を、看護師 離職率の理解と、これからの行動につなげやすい形でまとめておきますね。離職率という数字は、看護師として「この先もここで働き続けられそうか」を考えるときの、ひとつの大事な指標です。ただ、それだけで職場のすべてが分かるわけではないので、数字の裏側にある勤務環境や人間関係、ライフイベント、あなた自身のキャリアの希望なども一緒に見ながら、「自分に合う場所」を探していくことが大切かなと思います。
- 看護師の離職率は全職種平均と同じくらいか、やや低い水準にあると整理されている
- 数字だけを見ると高く感じても、他の産業と比べると極端な値ではないことが統計から確認されている
- 病床数が少ない病院ほど離職率が高くなる傾向があり、小規模病院では負担が大きくなりやすいとされている
- 医療法人や個人病院といった民間病院は、公的病院に比べて離職率が高めになるケースが多いと紹介されている
- 1年目新人看護師の離職率は8~10%前後で推移しており、近年は少し改善傾向が見られるとされている
- 新人の主な離職理由として、精神的な負担や適性への不安など、メンタル面に関わる項目が多いと報告されている
- 3年以内や5年以内の離職には、つらさだけでなくスキルアップやキャリアチェンジを目的とした前向きな転職も含まれている
- 新卒から3年ほどは教育プログラムの区切りとされ、臨床経験3年以上を条件とする求人が多いことも転職の判断材料になっている
- 男性看護師は全体の中ではまだ少数派で、職場環境や役割期待の影響を受けやすいとの指摘があり、職場ごとの文化を確認することが大切とされている
- 都道府県別では東京や大阪など都市部で離職率がやや高めで、医療機関が多く転職しやすいことも背景にあると考えられている
- 夜勤時間や人員配置などの勤務条件は離職率と強く関係するとされ、事前にチェックしておくことが重要と言われている
- 口コミ・感想レビューは現場の雰囲気を知る手がかりとして有効だが、偏りがあることを前提に他の情報と組み合わせて使う必要がある
- 日本看護協会や厚生労働省の統計は、看護師離職率を客観的に把握するための基本データとして活用できる信頼性の高い情報源とされている
- 看護師 離職率を見るときは、数字の高さだけでなく、離職理由や職場環境などの質的な背景も一緒に考えることが大切とされている
- 最終的には、あなた自身の価値観やキャリアプランに合う職場かどうかを、複数の情報源を使いながら総合的に判断していくことが重要だとされています
